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さようならば、ばら(名古屋・札幌)

  • 執筆者の写真: 康介 早川
    康介 早川
  • 2018年6月27日
  • 読了時間: 3分

最強の一人芝居フェス「INDEPENDENT」地域版のNGY18(名古屋)、SPR18(札幌)

に昨年上演した「さようならば、ばら」を招聘作品として選んでいただいた。

昨年の初演を終えた段階から、練り上げる必要性を感じていたので、

こんなに早いタイミングで再演できたのはラッキーだった。

初演は佐々木ヤス子の俳優としての存在に助けてもらい過ぎた気がしていたので、

よりスマートに、タイトに、ソリッドに、エモーショナルに。

とわかったような横文字を並べて、とにかく台本の密度を高めることに注力した。

結果、昨年大阪で上演したものとはかなり違う手触りの作品になった。

やっぱり佐々木ヤス子は凄かったけれど、初演より少し台本自身を強めることができたと思っている。

大阪では稽古を2日間。

3月に東京に引っ越して、こんなに早く大阪に行く機会があるとは思わなかったが、

懐かしい空気の中で、会いたい人に会い、みっちりと稽古をして名古屋へ。

名古屋の劇場は昔ながらのアトリエの雰囲気。

ご当地の作品も内省的な、ザ・一人芝居的な内容が多い印象だった。

お客様には大阪と変わりなく楽しんでいただけた感触だったが、

千秋楽にいかんともしがたいミスに見舞われるハプニングもあった。

地方で、いつもとは違う環境で演劇をつくる難しさを感じた。

札幌の劇場は、スタッフの皆さんや劇場の雰囲気が開放的で、

ご当地の作品や、それに関わる人たちも外に向かおうとしている印象だった。

名古屋を経て変えたセリフ、音楽のきっかけもしっかりと機能したし、

お客様のリアクションも、とても的確で、過不足なく、僕たちを知らないということで

フラットに判断していただいた。実に爽快だった。

そんなこともあり、僕としては「さようならば、ばら」の現状でのベストはここにあったと思う。

自分の手がけた作品が地方で上演する機会を得るということは、幸せなこと。

知らない土地で、知らない人々に観ていただくことで作品や、俳優、

そして自分が醸成されていくのを感じることができた。

機会があれば「地方で、そこに生きる人たちと、そこに滞在して、作品をつくる」

ということにもチャレンジしてみたい。

2つの地域で作品を上演して、それぞれの演劇に向う姿勢の違いを強く感じた。

僕たちのそれとは、どちらも違う印象だったが、どれも正解なんだろう。

逆に自分のすべき演劇や、演劇への向き合い方がしっかりと再確認できたツアーだった。

僕はひとまず東京で、演劇と、演劇で、暮らしていこうと思う。

ご覧いただいたお客様、各地のスタッフ、演劇人のみなさん、

そしてTHE ALFEEの高見沢さん、ありがとうございました。

最後にひとつだけ。

冒頭に佐々木ヤス子、早川康介(作・演出)、福島大(音楽)

が同じ1月9日生まれだという話をするシーンがある。みなさん劇作上の嘘だと

思われるようだが、僕たち3人は本当に偶然に3人同じ誕生日なのだ。

1月9日生まれの才能を、僕は信じている。

 
 
 
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