「さようならば、ばら」
最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT:17」は無事終幕した。
僕としては、大塚宣幸と「101人ねえちゃん」で全国を回らせてもらった
「INDEPENDENT 2nd season SELECTION JAPAN TOUR」以来の参戦だった。
奇しくも僕と同じ1月9日生まれの女優、佐々木ヤス子と
偶然にも僕と同じ1月9日生まれのギタリスト福島 大と3人で、
ストリッパー、バーバラ一九美を描いた「さようならば、ばら」という作品をお届けした。
一見不幸に見えるが、女性の幸せな「瞬間」を描いたつもりだ。
一人芝居は、演劇の中でもかなり特殊なジャンルだと思っている。
よりダイレクトに俳優を観ることになるので、ホンや演出が前に出過ぎてはいけない。
そういう意味ではうまくいったような気がする。
というか、全てにおいて佐々木ヤス子という存在の力が上回っただけなのかもしれない。
それくらい彼女の力を思い知らされた。
もちろん彼女の得手だけでなく不得手も知ることができた。
とにかくモノマネは下手だった。
とんでもなく下手だった。
しかも下手だと思っていなかった。
音楽の力も思い知った。
音響も照明もないところで腰を振ったり、喘ぐ彼女を見て、正直大丈夫なんだろうかと
稽古場で何度も不安になった。しかし、一度音楽が流れるだけでそこはたちまちストリップ小屋になり、佐々木ヤス子はストリッパー、バーバラ一九美になれた。全曲オリジナル、この芝居の為に作られた
音楽たちも、この芝居の大事な登場人物だ。
1月9日に生まれた、脚本家と女優とギタリスト。
それぞれの才能を活かして、芝居がつくれたことは誇らしく、嬉しかった。
つくづく1月9日生まれでよかった。
しかし、僕たちの目標はもっと高いところにある。
あと7分上演時間を縮めて、ホンはもう少しラストの強度を高めて、最終的にはやはり全裸になりたい。可能ならばモノマネももう少し上達して、圧倒的な作品に育て上げたいと思っている。
40歳、50歳になっても彼女が演じられるような、そんな作品になれば。
さようなら、「さようならば、ばら」
またみなさんにお届けできる機会がありますように。