劇団ガバメンツ「ハイヤーズハイ」
劇団ガバメンツ「ハイヤーズハイ」の幕が下りて少し経った。
とりとめもなく綴ろうと思う。
この公演を持って活動拠点を東京に移転することにしているので、
とりあえず大阪では17年間の区切りの公演だ。
元々、最後はケレン味たっぷりに派手な冒険活劇として
豚が主人公の「西豚記〜SAIBOOKI〜」という作品を考えていた。
しかしある日の劇団会議で、こんな人がハイヤーズハイをやってくれたら
面白いだろうね、という話になった。
結果として、その時話に出た「こんな人」が全て出演を快諾してくださった。
稽古は毎日がただただ楽しかった。
上級者だけでスポーツをするような感覚。
僕は面白いホンを書いただけだ。
おもしろくしてくれたのはおもしろい俳優たち。
しかも、劇場入りを前に前売りが全ステージ完売。
全てのステージで増席をしたがそれも完売し、満員御礼。
数字のことを大げさに言うのは好きではないけれど劇団として過去最高動員になった。
劇団を旗揚げした時、大学の構内のホールを埋めるので精一杯だった僕たちが
少し時間はかかったがこんなにたくさんのお客様にご来場いただけている。
しかも、九州や長野、外国からのお客様もいらっしゃった。
東京で僕が作演出で毎年上演しているミュージカルの出演者も東京から学校帰りに来てくれた。
劇団の旗揚げメンバーも来てくれた。
なんだか夢のような時間だった。
しかしこれは夢ではない。このお客様にまた僕たちの芝居を見ていただけるように
東京で現実と闘っていかなくてはならないのだ。
正直な話、東京に拠点を移した後大阪で公演をすることは、劇団として体力の必要なことだ。
やる気とは裏腹にこの公演をする前は少し消極的な思いもあった。
しかし、今はこう思う。
夢は選ばず、全て叶えていこうと。
そうじゃないと一つの夢すら叶えられないんじゃないかと。
ハイヤーズハイはそんなことを教えてくれた。
これで最後、なんて言わずに育てていこうと思う。
関わったいただいた全てのキャスト、スタッフ、
そしてご来場いただいたお客様、様々な事情で観ていただけなかったお客様、
応援していただいた全てのお客様、本当にありがとうございました。
ひとまずは、さようならば。